罰ゲーム第二弾

第二回目は、少し時間をとばして、中学時代の事を書きました。

正直今回もありふれたお話。


では、我が青い春をご照覧あれー






case2 中学時代


中学時代の私は、所謂「頭のいい奴」で通っていた。
私に言わせれば頭がいいのではなく、誰よりも勉強しているだけなのだが。

この頃から、漫画、ゲーム、PC関連へ趣味が偏り始めて、
世に言うオタクへの道を歩み始めた時期でもあった。

人に勉強を教えたり、当たり障りのない人付き合いが功を奏し、
影でどうなのかは置いておくとして、
私を嫌う人はクラスには居なかったくらいだと思う。
ちなみに、かなりのイジられキャラであった。よく天然だといわれた。

学年で一番勉強ができるのが私だったが、次にできるのは、女子だった。
その娘は学級委員長になったり、生徒会長を務めたりと、クラスの中心人物だった。

私は数学が得意でその娘は英語が得意だったので、
お互いライバル視しながらも学校で得意科目を教えあう仲だった。

もうその娘のことしか考えられないといった程ではなく、
なんとなく「いいかなー」と思っていた程度だった。

このくらいの頃から、いろいろ物を考えるのが好きになった。
ちょいと哲学っぽいことを考えるほかにも、
「今初恋の時ほどのめりこんでいない理由は、
あの時はよく言う『恋に恋する』類の錯覚も含まれていたんじゃないかなぁ」
などと昔を振り返ったりして、
「こんな考えもただの負け惜しみなのかなぁ、
ていうかそもそも『恋』という感情自体ある種の錯覚なんじゃね?」
などと考えてぐるぐるループしていたりした。

それでも、少しずつ確実に、
あの娘に惹かれていったのは確かだった。





二年生は、秋ごろに修学旅行に出かける。
修学旅行では、私とあの娘が委員に選ばれ、
行った先で生徒をまとめたり、いろいろ細かい仕事をさせられることになった。
正直私はそういうのはガラじゃないのだが、
あの娘が居たので引き受けたというのも若干あったかもしれない。
若干…?若干。

「修学旅行は遊びじゃありません。勉学の一環です」
なんて言われても、無駄無駄無駄。
生徒たちのうわつく気分は抑えらるわけもなく。
私もその例に漏れず、いつもよりはテンションが高かったのではないかと思う。

修学旅行では、大抵はクラス一緒に名所などを見て回るのがほとんどであったが、
1日だけ女子3人男子3人の班に分かれての自由行動の時間があった。
私とその娘は班が一緒になり、名所をまわったりいくら丼を食べたりした。
あれは絶品だったね。
その自由行動の計画のなかに、船にのって近海を見れるというものがあった。
なかなか大きな船で天気も良かったので、船上で見る風景は絶好だった。
潮の香りのする風も心地よかった。
私は前の夜に友人にそそのかされた計画通りに、あの娘を呼び出した。

「どうしたの?」
「えーと、あー。」

鏡を見なくても分かる。間違いなく私の顔は真っ赤だ。
心臓が音をたてて揺れている。

「……好きです。付き合ってくれませんか?」

まるでテンプレのような台詞ではあったものの、告白、してしまった。





「……ありがとう。えーと、返事は今度でもいいかな?」
「あ、うん。OKOK」
「ごめんねー。ちょっと考えさせて欲しいんだ」
「うん分かった。了解了解」


返事は、保留だった。
即断られなかった事を喜ぶべきか、保留ということは半ば諦めたほうがいいのか。
よく分からない状況で少し混乱したけれど、
船の上の風は、それでも変わらず潮の香りがした。




次の日も、その次の日も、返事は来なかった。
修学旅行が終わり、間に入った休みの日にも返事は来ず、
その次の日にも、返事は来なかった。

あの船の上の瞬間から、私の心は弾んでいた。
少し勢いで告白した感じもあったけれど、
告白をして初めて、思っていたよりもあの娘のことを好きだったんだなぁと気づく。
返事の来ない不安感と、期待感。
二つが入り混じりつつ、私は浮かれていた。
学校に行くのがいつもより楽しみだった。
「これが青春というものかぁ」と思い、少し恥ずかしかった。



授業が始まって一週間後の放課後、ついに私はあの娘に呼び出された。
教室の近くにある小さい部屋で、生徒が自由に出入りしていいという不思議な部屋だった。


テーブルをはさんで向かい合って座る2人。

生徒たちの喧騒が聞こえる。
心臓がバクバク言って仕方ない。
ええい、止まれ。いや、止まってもまずいけど。

沈黙を先に破ったのは私だった。

「えっと、返事のこと、だよね?」
「……うん。」


「えーとね、……あー。」



























「………ごめんなさい。」

「私さ、好きな人がいるんだ。」

「それでね、修学旅行の前に、『好きです』って言ったんだけど、断られたんだ。」

「それでもやっぱり、まだその人のことが好きだから…。ごめんね。」



「……そっかー。」

「うん、分かった。…それじゃあ。」

「……うん。」



ドラマのように、走り出したりはしなかった。
あの時のように、立ち止まりもしなかった。


ただ、歩いた。ひたすら、歩いた。
歩いて歩いて、家についた。
部屋に入って、もう歩く必要はないのだけど。
なぜか、まだ歩きたかった。
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by srtrkodama | 2006-03-15 00:41 | 徒然
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